2019年版 おすすめの面白い小説オールタイムベストランキング
ぼくは本が好きで、年間100冊近く読みます。
小説、ノンフィクションなど文芸書から新書、ビジネス書まで何でも読みます。
この記事では、ぼくの人生で今まで読んできた小説の中から、特におすすめの作品をランキング形式で紹介したいと思います。
小説を読みたいけど、何を読んだらいいか分からない人は、是非この中から選んでみてください。
ランキングは、随時更新していきます。
30位 想像ラジオ いとうせいこう
あらすじ
深夜二時四十六分。海沿いの小さな町を見下ろす杉の木のてっぺんから、「想像」という電波を使って「あなたの想像力の中」だけで聴こえるという、ラジオ番組のオンエアを始めたDJアーク。その理由は―東日本大震災を背景に、生者と死者の新たな関係を描き出しベストセラーとなった著者代表作。
いとうせいこうとは何者なのか。
そう思ってる人も多いと思います。
マルチタレントという言葉がこれほど似合う人もいないんじゃないでしょうか。
ラップ、文筆、お笑い、演劇など ほんとに多才だなと。
この本は、物語を通して生と死について気づきを与えてくれる作品です。
他にも、小説ではありませんが、みうらじゅんさんとの共著「見仏記」もおもしろいです。
29位 流星ワゴン 重松清
あらすじ
永田一雄は死んじゃってもいいかな、と思っていた。
仕事はリストラ・妻からは離婚・子供は受験失敗で引きこもり。地元で入院している父親を見舞に行った時に貰える交通費の余りで何とか暮らしている有様。その父親も癌でいつ死ぬかも分からない。父親の見舞帰りに駅で酒を飲んで酔っ払っていると、ロータリーに1台の車が停まっている事に気が付く。その車には5年前、偶然見た新聞の交通事故の記事で死亡が報じられた橋本親子が乗っていた。言われるがままにその車に乗り込む一雄。そしてその車は一雄を、人生の分岐点へと連れ戻す。
降り立ったのは、仕事の途中で妻を見かけた日。他人の空似だろうと仕事に戻ろうとした所に、一人の男が目の前に現れた。一雄はその男の事を、よく知っていた。
その男は今の自分と同い年、38歳の時の父親だったのだ。ウィキペディアより
話のテンポがよくスラスラ読めます。
心をえぐられますね。
正直言って泣けます。
人間ドラマが非常に素晴らしい作品です。
他に「ビタミンF」「その日のまえに」などもとても良い作品です。
28位 夜間飛行 サン・テグジュペリ
あらすじ
20世紀初頭の郵便飛行に携わる者は、「自分達が歴史を作る」という信念と誇りを持っていた!
南米大陸で、夜間郵便飛行という新事業に挑んだ男たち。
ある夜、パタゴニア便を激しい嵐が襲う。
生死の狭間で懸命に飛び続けるパイロットと、地上で司令に当たる冷徹にして不屈の社長の運命は――命を賭して任務を遂行しようとする者の孤高の姿と美しい風景を、自身も飛行士だった作家が詩情豊かに描く航空小説の傑作。
「星の王子さま」が有名なフランス人作家による小説。
自身がパイロットだったこともあり、その経験が生かされています。
さらっと読めてしまうのに、熱くなったり、感動したり、心揺さぶられる情熱の詰まった作品です。
27位 成功者K 羽田圭介
あらすじ
芥川賞受賞後、TV出演190本。
すべてはこの作品のためだった。
これは実話かフィクションか!?
芥川賞を受賞したKは、いきなりTVに出まくり寄ってくるファンや友人女性と次々性交する。
突如人生が変わってしまったKの運命は?Amazonより
ピースの又吉直樹さんの「火花」と同時に「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞受賞を受賞したことで、逆に注目され、テレビ番組にもバンバン出演した羽田さん。
一躍時代の寵児となった自分を主人公に投影した作品です。
こういう作者自身の半自伝的な手法は、太宰治や夏目漱石など昔の文豪の作品っぽいなと読んでいて思いました。
どこまでが現実でどこからが虚構なのか、そういう見方でも楽しめます。
フィクションのふりをして自虐、皮肉、批判等をうまく物語の中に仕込んでいるあたりもただ者じゃないですね。
26位 旅のラゴス 筒井康隆
あらすじ
北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。bookデータベースより
日本のSFの歴史に燦然と輝く大傑作「時をかける少女」ももちろん好きですが、この作品も好きです。
なんだか冒険心を駆り立てられる、ロマンが詰まっています。
やはり文章がうまくて、筒井ワールドへ引き込まれていきます。
25位 ハゴロモ よしもとばなな
あらすじ
失恋の痛みと、都会の疲れをいやすべく、ふるさとに舞い戻ったほたる。
大きな川の流れるその町で、これまでに失ったもの、忘れていた大切な何かを、彼女は取り戻せるだろうか…。
赤いダウンジャケットの青年との出会い。冷えた手をあたためた小さな手袋。
人と人との不思議な縁にみちびかれ、次第によみがえる記憶―。ほっこりと、ふわりと言葉にくるまれる魔法のような物語。BOOKデータベースより
吉本ばななさんの小説は美しいなといつも思います。
文章や文体もそうだし、ストーリー、登場人物からも美しいという印象を受けます。
この作品も、読んでいるうちに自然と琴線に触れる描写、場面と出会います。
「キッチン」「TUGUMIつぐみ」などもとても素敵な作品です。
24位 髑髏の檻 ジャック・カーリー
あらすじ
刑事カーソンが休暇で赴いたケンタッキーの山中で連続殺人が。
犯人はネット上の宝探しサイトで犯行を告知し、死体はどれも奇怪な装飾を施されていた。
捜査に巻き込まれたカーソンの前に現れたのは、実の兄にして逃走中の連続殺人鬼ジェレミー。
ディーヴァーばりのスリルとサプライズで人気のシリーズ第6弾。BOOKデータベース
アメリカの作家によるミステリー小説。
今作は、本格ミステリベスト10、このミステリーがすごい、などに選出されています。
続き物の作品ですが、この作品単体で読んでも問題なく面白いです。
読んでいてワクワクしますね。
ストーリーはもちろんのこと、キャラクターも良く、会話劇としても楽しいです。
意外な展開、伏線などもよく出来てます。
海外ドラマを観ているような感覚で読み進められる作品です。
同じ著者の作品では他に、百番目の男、デス・コレクターズ、ブラッド・ブラザーなどもおすすめです。
23位 コンビニ人間 村田沙耶香
あらすじ
36歳未婚女性、古倉恵子。
大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。
ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。
「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。BOOKデータベースより
芥川賞受賞のこの作品。
コンビニという身近にある場所を舞台に、人間の良い部分、悪い部分、ひいては日本社会の良い部分、嫌な部分を、ときにおもしろく、ときにダークに描いた作品です。
作中の人間模様に引き込まれていきます。
22位 一九八四年 ジョージ・オーウェル
あらすじ
“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。
ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。
彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。
ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。
二十世紀世界文学の最高傑作が新訳版で登場。bookデータベースより
ディストピア小説などと呼ばれ、トランプ大統領時代に改めて注目が集まったこの作品。
その思想性などに注目されますが、純粋に小説として完成度が高い。
設定、ストーリーが良く出来ていて楽しいし、古臭さを感じません。
こ1984年が有名ですが、他に「動物農場」という作品もおもしろいですよ。
21位 夜のピクニック 恩田陸
あらすじ
全校生徒が24時間かけて80kmを歩く高校の伝統行事「歩行祭」。
3年生の甲田貴子は、最後の歩行祭、1年に1度の特別なこの日に、自分の中で賭けをした。
それは、クラスメイトの西脇融に声を掛けるということ。貴子は、恋心とは違うある理由から西脇を意識していたが、一度も話をしたことがなかった。
しかし、ふたりの不自然な様子をクラスメイトは誤解して…。ウィキペディアより
たくさんある恩田さんの作品の中でもこの作品が好きです。
青春を感じられる爽やかな作品であり、細やかな言葉のチョイス、情景描写も素晴らしい作品です。
「ドミノ」「蜜蜂と遠雷」あたりもお勧めです。
20位 サラバ! 西加奈子
あらすじ
1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、今度はエジプトへ向かう。後の人生に大きな影響を与える、ある出来事が待ち受けている事も知らずに―。BOOKデータベースより
じっくりと集中して文学の世界に入り込みたい人におすすめの小説です。
丁寧にしっかりと作品世界を描写していき、そこで暮らす人々に命を吹き込んでいく。
物語の後半に行く頃には、この世界にどっぷりと浸かって、深く感情移入していることでしょう。
19位 Another 綾辻行人
あらすじ
1998年、春。
父の不在や自身の病気療養のため、母の実家に身を寄せ夜見山北中学校に転入してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。
彼は、クラスメイトで不思議な存在感を放つ少女・見崎鳴に惹かれる。
だがクラスメイトの反応から、彼女は恒一には見えて、他のクラスメイトには見えていないのでは無いかと感じる。
そんなある日、あるクラスメイトが凄惨な死を遂げ、3年3組が直面している現実を知らされるのであった。ウィキペディアより
日本の推理作家といえばこの人でしょう。
「十角館の殺人」に代表される館シリーズなど、数々の名作を書き続けています。
この作品は、ミステリーにホラー、ファンタジー要素が追加され、いつもの綾辻さんの作風とは少し趣が異なります。
しかし、もちろん綾辻節は健在で、話運び、トリック、推理など、さすがの一言。
ちなみにアニメ化もされています。
18位 タイムマシン H・G・ウェルズ
あらすじ
主人公は、単純に「時間旅行者」(又は「タイム・トラベラー」 The Time Traveller)と名付けられた科学者である。
友人達の前で理論を唱えた上で小型の模型を使って、時間旅行者は時間が第4の次元であり、適切な装置はこの第4の次元の中で移動できることを実演して見せ、自分自身を運搬可能な大型の時間移動装置を完成させる。
その後に、彼は自分を実験台にしてすぐさま未来への旅行に出発する。 ウィキペディアより
イギリスの小説家、ウェルズの名作です。
SFの基礎を作ったともいわれている人物です。
タイムマシンと聞くだけでワクワクしますね。
19世紀に発表された本作ですが、古臭さは無く、 その発想力には感心してしまいます。
他にも、「宇宙戦争」、「透明人間」などSFの名作をのこしています。
17位 獣たちの庭園 ジェフリー・ディーヴァー
あらすじ
1936年、オリンピック開催に沸くベルリン。
アメリカ選手団に混じって、ナチス高官暗殺の使命を帯びた一人の殺し屋がニューヨークから潜入するが、現地工作員と落ち合う際に誤って人を殺し、警察に追われる身となる。
暗殺を果たし、無事に国外逃亡できるか…。
「どんでん返し職人」ディーヴァーが初めて挑んだ歴史サスペンス。
ベストセラー連発作家、ジェフリー・ディーヴァーの小説。
歴史の知識が無くても十分面白く読めます。
600ページ超えの大ボリュームですが、ぐいぐい引き込まれて、スラスラ読めちゃいます。
おそらく資料等をかなり調べたのでしょう。
当時の空気感、細部の記述など、非常にリアリティがあります。
そこにフィクションをうまく融合することに成功しています。
この作家は、ボーン・コレクター、ウォッチメイカー、シャドウ・ストーカーなど、面白い作品ばかりです。
16位 悪人 吉田修一
あらすじ
保険外交員女性・石橋佳乃が土木作業員・清水祐一に殺された。清水は別の女性・馬込光代を連れ、逃避行をする。
なぜ、事件が起きたのか?事件当初、容疑者は裕福な大学生・増尾圭吾だったが、拘束された増尾の供述と新たな証言者から、容疑の焦点は清水に絞られる事になる。wikipediaより
吉田修一さんの代表作。
妻夫木聡さん、深津絵里さん主演で映画にもなりました。
善と悪の感情の機微を描き、心理描写が巧みで、この作品をぐっと面白くしています。
悪い人間かもしれないが、どこか感情移入してしまう部分もあったり、魅力的な人物が出てきます。
他にも「横道世之介」「パレード」などもおもしろいです。
15位 村上海賊の娘 和田竜
あらすじ
主人公・景(きょう)、戦国時代に瀬戸内海を席巻した村上水軍の当主・村上武吉の娘である。景は、軍船に乗り瀬戸内の海で狼藉を働く者を成敗したり、男勝りの活躍をする。ある日、毛利家から信長に追い詰められ窮地に陥った本願寺を救うため、物資を輸送してほしいという依頼が来る。村上水軍は毛利方に加勢することを決め、景も戦いに身を投じていく。ウィキペディアより
この作者は歴史をエンターテインメントに昇華するのがうまい。
「のぼうの城」でもそうだったが、日本史の中ではマイナーな人物を取り上げ、丁寧にキャラクターを描いています。
この作品も、漫画のようなストーリー展開で面白いです。(実際に漫画化もされています)
14位 楽園のカンヴァス 原田マハ
あらすじ
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに篭めた想いとは―。山本周五郎賞受賞作。bookデータベースより
色々な美術館に勤めてきた作者の原田さんが、その確かな知識を落とし込み、壮大な物語を作り上げています。
著者のアート好きがひしひしと伝わってきて、自分もアートに詳しくなりたいと思わされる作品です。
美術を題材としてここまで面白いストーリーを構築したのはすごいです。
ミステリー要素も秀逸です。
「暗幕のゲルニカ」もおすすめです。
13位 掏摸スリ 中村文則
あらすじ
東京を仕事場にする天才スリ師。
ある日、彼は「最悪」の男と再会する。
男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。
木崎は彼に、こう囁いた。
「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」
――運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは……。
その男、悪を超えた悪――絶対悪VS天才スリ師の戦いが、いま、始まる!!
芥川賞など数々の受賞歴があり、教団Xの大ヒットも記憶に新しい中村文則さんのノワール小説。
この作品は大江健三郎賞を受賞しています。
緊張感があり、ハラハラどきどきの展開が最高です。
善とは何か、悪とは何か、その2つは表裏一体で微妙なバランスのもと成り立っているのかもしれません。
エンタメ作品としても面白いですが、一見暗い作品のようで、光が垣間見れる部分も多々あり、色々と考えさせられる作品です。
他に、悪と仮面のルール、土の中の子供などもおすすめです。
12位 カラスの親指 by ruleof CROW's thumb 道尾秀介
あらすじ
人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。
ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。
やがて同居人は増え、5人と1匹に。
「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。
各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは?
息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。
「このミス」常連、各文学賞総なめの文学界の若きトップランナー、最初の直木賞ノミネート作品。
第62回日本推理作家協会賞受賞作。BOOKデータベースより
ベストセラー連発の道尾秀介さんのこの作品。
阿部寛さん主演の映画の原作です。
原作自体がすでに映画のようなシーンの連発です。
とにかくストーリーが良く出来ています。
無駄な場面がなく、最初から最後まで面白い。
トリック、仕掛けもよく考えられていてすごい作品です。
11位 満願 米澤穂信
あらすじ
人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは―。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、美しき中学生姉妹、フリーライターなどが遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジックで魅せる、ミステリ短篇集の新たな傑作誕生。BOOKデータベースより
あらゆるミステリーランキング常連の作家によるこの作品。
ミステリーで何かおもしろいやつ教えて、と言われたらとりあえずこれを進めとけ、というぐらい面白いです。
他にも米澤さんは「インシテミル」「王とサーカス」などなど傑作ぞろいです。
10位 死のドレスを花婿に ピエール・ルメートル
あらすじ
『その女アレックス』の原点となる恐怖のイヤミス。
ソフィーの目の前に転がる男児の無残な死体。
ああ、私はついに人を殺してしまった。
幸福だった彼女の破滅が始まったのは数年前。
記憶にない奇行を繰り返し、彼女はおぞましい汚名を着て、底辺に転落したのだ…。
狂気に駆られて逃亡するソフィー。
聡明だった彼女はなぜ全てを失ったのか。悪夢の果てに明らかになる戦慄の悪意とは。
驚愕の傑作。アマゾン内容紹介より
フランスの推理作家によるこの作品。
「その女アレックス」は日本でも大ヒットし、そちらもかなり面白いですが、こちらも素晴らしい小説です。
サスペンス、ミステリー系が好きなら間違いなく読むべき作品です。
9位 アフターダーク 村上春樹
あらすじ
時計の針が深夜零時を指すほんの少し前、都会にあるファミレスで熱心に本を読んでいる女性がいた。
フード付きパーカにブルージーンズという姿の彼女のもとに、ひとりの男性が近づいて声をかける。
そして、同じ時刻、ある視線が、もう一人の若い女性をとらえる―。新しい小説世界に向かう、村上春樹の長編。ブックデータベースより
今、日本で一番ノーベル文学賞に近い男、村上春樹さん。
世界中でベストセラー連発の彼の作品の中で、僕はこれが一番好きです。
なんか村上春樹っぽくないんですよね。
いや、たしかに村上春樹らしさは随所に出ているんですが、他の作品とは雰囲気が違うというか。
一夜の出来事を俯瞰したカメラで切り取って見せる。
実際に自分がその映像を見ているかのような気にさせてくれます。
「海辺のカフカ」「騎士団長殺し」なども好きです。
8位 ドグラ・マグラ 夢野久作
あらすじ
大正15年頃、九州帝国大学医学部精神病科の独房に閉じ込められた、記憶喪失中の若き精神病患者の物語(と思われる)であり、「私」という一人称で語られていく。
彼は過去に発生した複数の事件と何らかの関わりを有しており、物語が進むにつれて、謎に包まれた一連の事件の真犯人・動機・犯行手口などが次第に明かされていく。wikipediaより
とにかく奇妙で不気味な小説。
タイトルも意味不明。
しかし、それがイイ。
日本探偵小説の三大奇書と言われている問題作です。(残り2つは小栗虫太郎「黒死館殺人事件」、中井英夫「虚無への供物」)
説明ができないほど不思議な世界観です。
明治生まれの作家でこういうセンスの人がいるのかと良い意味で驚きました。
明らかに万人向けの小説ではありませんが、読んだことがない人はとりあえず読んでみてほしいです。
気に入ったら「瓶詰の地獄」、「少女地獄」という作品も是非。
7位 キャプテンサンダーボルト 阿部和重 伊坂幸太郎
あらすじ
人生に大逆転はあるのか?
小学生のとき、同じ野球チームだった二人の男。
二十代後半で再会し、一攫千金のチャンスにめぐり合った彼らは、それぞれの人生を賭けて、世界を揺るがす危険な謎に迫っていく。
東京大空襲の夜、東北の蔵王に墜落したB29と、公開中止になった幻の映画。そして、迫りくる冷酷非情な破壊者。
すべての謎に答えが出たとき、動き始めたものとは―
現代を代表する人気作家ふたりが、自らの持てる着想、技術をすべて詰め込んだエンターテイメント大作。
「グランド・フィナーレ」で芥川龍之介賞を受賞された阿部和重さんと、「ゴールデンスランバー」などの著作でおなじみの伊坂幸太郎さんの合作です。
お互いが良さを引き立てあって化学反応が起きたのでしょう。
すごく楽しい作品になっています。
エンタメに振り切っているので、難しいことを考えずに面白い話が読みたいという人にはとくにおすすめです。
かなり読みやすく、漫画を読んでいるかのようにページをめくる手が進む小説です。
6位 桐島、部活やめるってよ 朝井リョウ
あらすじ
男子バレーボール部のキャプテンだった桐島が部活をやめることをきっかけに、同級生5人の日常に些細な変化が起こる。
本作は5編からなるオムニバス形式によっており、全体的なストーリーの起伏よりも、各登場人物の心理を描くことに作品の主眼がある。
各登場人物はそれぞれ悩みを抱えており、またそれを隠したまま互いに表面的に交わり、出来事が進む。
朝井リョウさんのデビュー作です。
学校、学生生活、スクールカースト、などなど思わずあるあると思いながら読み進めてしまいます。
短編で1つの謎を解き明かしていく構成が良く出来ていておもしろいです。
吉田大八監督により映画化もされていて、こちらもまた最高。
「何者」 、「武道館」などなど面白い作品を書かれています。
5位 夜は短し歩けよ乙女
あらすじ
後輩である少女に恋をしている「私」は、彼女という城の外堀を埋めるべく日々彼女を追い掛け、なるべくその目に留まろうとしている。
しかしその彼女はなかなか「私」の想いに気づいてくれない。
2人は奇妙な人物に出会い、奇抜な事件に巻き込まれてしまう。恋愛ファンタジー。
累計100万部以上売り上げているこの作品。
アニメ映画にもなり、星野源さんやロバート秋山さんなどが声優を務めたことでも話題になりました。
京都が舞台で、幻想的でファンタジーな雰囲気がなんだかとても良い。
独特な文体、会話劇が楽しく、ハマるとクセになります。
森見さんが好きなら「四畳半神話大系」、「有頂天家族」なども読んでみてください。
4位 待望の短篇は忘却の彼方に 中原昌也
あらすじ
あまりにも凶暴、あまりにも理不尽、しかし圧倒的に純粋―足を踏み入れたら決して抜けだせない、狂気と快楽にまみれた世界を体感せよ。
奇才・中原昌也が「世界」への絶対的な「憎悪」と「愛」を込めて描き出した、極上にして待望の小説集
中原さんの小説は、正直に言って全く万人向けではありません。
しかしどハマりする人は ハマると思います。
ぼくも初めて読んだときにやられました。
こういう人が後世に残っていくんじゃなかろうか、というくらい怪作を連発されています。
3位 ミザリー スティーヴン・キング
あらすじ
女性主人公の人生を描く『ミザリー』シリーズで有名なベストセラー作家ポール・シェルダンは、『ミザリー』シリーズにピリオドを打ち、新たな小説『高速自動車』の原稿を手に、西を目指し車を走らせていた。途中雪嵐に見舞われ、誤って崖から転落し重傷を負った彼は、通りがかった元看護師のアニー・ウィルクスに救出され、人里離れた彼女の家で治療を受ける。
『ミザリー』の熱狂的ファンであるアニーは、発売されたばかりのミザリーシリーズの最終巻『ミザリーの子供』の結末に納得せず、新作小説を破棄した上で続編を書き下ろすことを彼に強要する。大雪で半ば隔離され、ケガで身動きの取れない閉鎖的な状況の中、アニーの異常性が徐々に露わになる。ウィキペディアより
世界中で大人気、これまで数々の作品が映画化されてきたヒットメーカー、S・キングのホラー作品。
臨場感、恐怖感、痛々しくグロい描写、などなど文字だけでここまで怖さを演出するテクニックがすごいです。
度を越したサイコパスなキャラがこの作品をおもしろくしています。
他にもシャイニング、ザ・スタンド、アンダー・ザ・ドームなどの作品もお勧めです。
2位 トータル・リコール フィリップ・K・ディック
あらすじ
夜ごと火星に行く夢を見ていたクウェールは、念願の火星旅行を実現しようと、リコール社を訪れるが……。
現実と非現実の境界を描いた映画化原作「トータル・リコール」、犯罪予知が可能になった未来を描いたサスペンス「マイノリティ・リポート」(スピルバーグ映画化原作)をはじめ、1953年発表の本邦初訳作「ミスター・スペースシップ」に、「非(ナル)O」「フード・メーカー」の短篇集初収録作ほか、全10篇を収録した傑作選。
アーノルド・シュワルツェネガー主演の同名の映画の原作です。
この映画が大好きで、後から原作も読んだんですが、最高でした。
トム・クルーズの映画「マイノリティ・リポート」の原作も収録されています。
ディックの本はかなり読み漁りました。
リドリー・スコット監督の名作「ブレードランナー」の基になった「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」や、「高い城の男」など、どの作品もオススメです。
1位 ノックの音が 星新一
あらすじ
ノックの音とともに、二日酔いの男の部屋にあらわれた見知らぬ美女。
親しげにふるまう彼女の正体は?
いったい、だれのところへ、どんな人が訪れてきたのか。その目的は。
これから部屋の中で、どんなことがおこるのか……。
サスペンス、スリラーからコメディーまで、「ノックの音」から始まる様々な事件。意外性あふれるアイデアと洒落たセンスで描く15のショートショート。
短編小説の名手、星新一さん。
なかでも一番好きなのは、この作品。
全ての話が、ノックの音から始まり、あらゆる物語が展開されます。
星新一を読んだことない人は今すぐ読んでください。
「ボッコちゃん」「きまぐれロボット」などなど、彼の作品は何を読んでも面白いです。
こちらの記事もおすすめです。